3.11

今日で東日本大震災がおきて10年が経ちます。

10年前の3月11日金曜日は、2日後の創立15周年記念コンサート『ドン・キホーテ』全幕上演に向けてリハーサルも最終段階に入っているところでした。

当時、娘はまだ幼稚園生で、同じバス停から乗車するお友達がその日たまたま風邪でお休みをしていたので、金曜日ということもあり、彼女の上靴、スモック、座布団、お手紙などを娘が持って帰ってきていました。そして私が娘のお昼寝中に急いでお友達のご自宅まで届けに行っている間に揺れが起きました。最初は、あれ?貧血かな、めまいかな、舞台前だから疲れているのかなぁくらいの感覚でした。そして、少し立ち話をして帰宅すると、テレビから大津波の映像。とんでもないことが起きてしまった。恐怖と、これからどうなるんだろう。関東に住んでいる親戚とも連絡が取れず不安でいっぱいになったのを覚えています。

その日の最終リハーサルには、ゲストダンサー、賛助出演の皆さんも全員揃ってくださったものの『えらいことになってしまった。舞台は今まで通り開演しても良いのだろうか』など様々な想いが脳裏をよぎりました。次の日は劇場入り、ゲネプロです。

そして、出した決断が予定通りやる!やるしかない!でした。テレビから流れる津波の映像を見るたびに胸が苦しくなり、言葉は悪いのですが、こんな時にニコニコ笑ってバレエなんかやってていいの?と自問自答。そう言われているのではないかという錯覚。不謹慎?様々な葛藤はありましたが、この15周年に情熱をかけ、前年2010年は発表会を開催せずに一年半ぶりの舞台に重きをおいてきたのも事実です。ご批判はあってもそれを真摯に受け止め、歩みを止めないことにしたのでした。

そして、まだ東日本大震災という名前もつけられていない13日(日)に田中景子バレエスクール15周年記念コンサート『ドン・キホーテ』全幕が開幕したのでした。

客席はというと、田中バレエ創立以来の満員御礼!立ち見。いやっ座り見?通路階段にまで、人・人・人。扉前にも人だかり。招待席前の通路も人。三角座りで見てくださっているご年配の方々。今なら密で完全アウトな状態。1幕から『ブラボー』の嵐でした。まるでお客さまが私たちダンサーを励ましてくださっているように感じました。

3時間がダンサー、お客さまのお陰であっという間に過ぎ、無事幕を降ろすことができました。

その日の打ち上げパーティーで『このような状況でもバレエができる喜びを、そして踊れることに感謝しましょう。ご両親に感謝しましょう』とお話ししました。

10年後の今。コロナ禍で全く同じ事を言っています。

踊れる喜び。有り難さ。感謝。

その気持ちを常に忘れず、生徒たちには今やるべきことをやり切って欲しい。今、努力したことが未来、将来、きっと自分を助けてくれるのですから、、、

そう思いながら、歩みを止めずあれから10年。

今年は創立25周年記念コンサート『白鳥の湖』全幕です。なんだかまた神さまから試練を与えられているような気がします。

あらためて、震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

田中景子

【第4回公演】